あんスタ『クライマックス』ストーリー感想と考察 ※ネタバレ

イベント『バトンタッチ!涙と絆の返礼祭』のストーリー『クライマックス』の感想と、気になった点を箇条書きにしました。台詞は適宜省略してます。

※過去ストーリーのネタバレもある(去年の返礼祭、雛鳥、苺狩り等)
※英智の話めっちゃする
今回も、全23話もある! 
タイトルが『クライマックス』なのは、仮面ライダー電王の決めゼリフ「最初からクライマックスだぜ!」から引用してるのかな。
流星隊とfineがDDD緒戦で対戦したとき(ノベライズ4巻P.131あたり)にも千秋が「手加減無用! 最初からクライマックスだ……! 『事実上の決勝戦』を始めようではないか」と言っていた。

プロローグ

海洋生物部の部室で奏汰と薫が話している。

・薫「みんな俺にはちょっと距離をとってるっていうかさ…家族も含めて、あまり呼び捨てにしてくれないんだよね」
『WANTED!!!』で、羽風家は「きみもそれなりの家柄」(英智 談)で、卒業後は退屈な人生が待ってるだけと言っていたけど、ご家族は薫のことなんて呼んでるんだろうね?「薫さん」とか「薫くん」?
今回のカードでスマホケースがヴィトンっぽい柄なのも、(高校生が粋がって無理してブランド物を持ってるわけじゃなくて)きっと羽風家のご子息にふさわしい物で、いたって当然のことなんだろうなと思った。

ところで英智はどういう服飾品を身につけてるんだろう?
昔テレビのセレブ特集で、「いわゆるブランド品は既製品であり、我々が名前を聞いたことがあるようなブランドは『庶民』向けのメーカー。本当のセレブは、セレブ御用達のメーカーで自分用のものを一点ずつ作らせる。メーカーの人々が家に来て直接注文をきく」って言ってたからそんな感じなのかな~。(異世界すぎて、あの番組の内容がどこまで本当のことなのか分からないけど)

・薫「近ごろちょっと思うところがあってさ、きっぱり女の子たちと遊ぶのは止めちゃったから」
卒業後、アイドルとして本気でやっていく決意をした羽風。去年の返礼祭で、それまで楽しく遊んでいた(つもりの)女の子たちとの関係を清算してるところが描かれていた。ぶたれたのは、本気で羽風を好きだった子がいたからだ。その女の子の友達に怒られた。

ビンタされて泣く羽風

・奏汰「『おなじきもち』のひとがいるなら、すこしは『さびしくない』ですね」
この台詞は、『WANTED!!!』で千秋が暇そうにしている羽風に「同じだなっ、『同じ』があるのは嬉しいな☆」と言ったのと似ている。千秋と奏汰の絆を改めて感じる。
このすぐ次の話で、スバルも「『同じ』があるのは嬉しいねっ♪」と言ってる。

・近ごろ姿を見かけない颯馬
これも詳しくは去年の返礼祭で描かれていた。颯馬は先輩たちに成長した自分を見せて安心させるため、ひとりでステージに立つ決意をして、修行のため山ごもりをしていた。

・奏汰「『かいぶつ』の『こども』ですから」
水槽の管理が大変だから半分くらい殺処分しようと言い出す奏汰……。怖い。深海家の親御さんは『かいぶつ』と呼ばれるような所業をしてきた……?

奏汰は『エレメント』(『地獄の沙汰も』第3話)で、英智とつむぎが生徒から「五奇人」を選出する場面で「二学年および他学科、周辺地域などに強い影響力を持つ日々樹渉と深海奏汰」「いくつかの分野で日々樹渉を凌駕している」と表現されていた。いくつかの分野って何だろう。学院内にとどまらず、地域の人にも影響力を持つってどういうことだろう。
しかも『エキセントリック』のときの五奇人同士の会話では、奏汰は自分ちのことを「忘れてほしい」とも言っている。どんなおうちなの…? ずっと気になっている。

・薫「他人に遠慮なんかしてたら、呼吸もできないよ」
ひとは誰しも迷惑や負担をかけあって生きているんだ、当然のことだと言う羽風に、奏汰が考え込んでいる。奏汰が息苦しさを感じていた過去が匂わされる。


『泣かない人』

バスケットコートで3年生の『追いだしパーティ』が行われている中、座り込んで話している翠とスバル。

・スバル「ち~ちゃん先輩と似てるとかゲロがでそうなことを言わないでよ☆」
スバル、一見明るくて誰とでも仲良くやれそうな気がするけど、なんで千秋にだけこんなに当たりが強いの? どこかで理由語られてた?

・翠「あのひと、な~んか、誰にでも優しいんですよね……」
意味深な台詞。誰にでも優しいことは誰にも優しくない、ということか? 特別扱いしてほしい人には物足りないよなぁ。
去年の返礼祭でひなたが転校生に言ってたことを思い出して、比べてしまう。

「愛してもいないくせに、偉そうに俺らをプロデュースしてたんだ?」

「大事だからこそ、遠ざけてるのかな。でもそれって、俺たちがやってたことだよ。それじゃ駄目って教えてくれたんでしょ?」
これ、心にグサリと来た。そうだ、羽風がビンタされたのも結局はそのせいだよ。たぶん。

・千秋「苦しいのか高峯! マウス・トゥ・マウスで酸素を注入してやろう……☆」「自分で自分が制御できないっ、誰彼構わず抱きついてキスしたいぐらいだ!」
寂しさを紛らわせるためなのか、やたらテンションの高い千秋。

ツイッターで「奏汰に教わった」というのが、やり方を説明されたのではなく、実際に救命措置として奏汰から(何らかの理由で瀕死になった)千秋にほどこされたもの、なのでは?…という説を拝見した。そういう過去があった伏線?

マウス・トゥ・マウスで

・翠「そんなもんが網膜に焼きついたら、夜とか気が散って眠れなくなっちゃう気がする……」
ユニフォームを着た俺の勇姿を目に焼き付けろ、という千秋に返す言葉がこれ。そんな素っ頓狂な格好でもないのになぜだ。なぜ眠れなくなるんだ。千秋の存在そのものが気になってしょうがないってことだと解釈。


第2話、日が落ちた校舎内でひとり帰り支度をする翠

・翠「(あのひと好かれてたもんね、下級生に……。反抗的だったのは俺と明星先輩ぐらい……)」
みんなにウザがられてたわけではないと知って安心した。あんなふうに明るく話しかけてくれる先輩だったら人気あるよね。だからこそ逆にスバルと翠は距離を置いているのかな。スバルは反発して、翠は自分なんかが『みんなの守沢先輩』を独占しないように。(いや実際は独占してたみたいだけど)

・体育館で声を押し殺して泣く千秋
「うっ…ぐ…うぅっ…」というボイスが苦しそうで聞いててつらい。あとここのBGMが、今までのストーリーをいろいろ思い出させてしんどい。

翠に気づいて振り返るときには泣きやんで笑うのもしんどい。無理に笑う千秋を見ていらつく翠。

泣き顔は見せない千秋

・真緒「生徒会の業務も完全に引き継がれて、俺が全権を委託されちゃってさ。助言すらしてくれないんだよ」
英智も敬人も生徒会の業務から離れている。いよいよ卒業か……。寂しい。スバルですら「卒業って嫌だねぇ……」と言っちゃうぐらいだ。

あんスタ世界では4月になればまたスバルたち2年生なんだけどね!(メタい)
去年はこの一年が繰り返されることがよく分かってなかったから、エイプリルフールに「あんさんぶるスターダスト」の告知が出たときに、この偽告知を信じた友人がしばらく放心していた。「もう夢ノ咲のみんなに会えないの…?」って。今年も何かドッキリ来るのかな!

・スバル「ち~ちゃん先輩は昨年度に比べたらよく笑うようになったよね」
去年はあまり笑わない人だった千秋。翠と似たところがあったようだ。
千秋の一年前の姿はまだ出てないよね? 五奇人が倒されていってた頃、千秋は何してたの?
DDD緒戦での流星隊登場シーン、英智に向かって「そいつは無垢な少年の夢を喰らい、己のちからとして取りこみ貪る夢魔だ! たぶらかされるなっ」と言い放ってた彼だから、皇帝になるまでの英智の所業をいろいろ見てきているんだろうな。

『皇帝の凱旋』10話より

『祝福と返礼』

生徒会室にやってきた千秋と奏汰。『風雲絵巻』のときには奏汰が敬人に対して険悪な態度だったけど、英智とは普通に接している。

・英智「いいからおいで」「ほら僕、生命線が長いんだよ? 手相占いに信憑性はないよね?」
占いの話題でつむぎの名前が。私も占いはあまり信じてないけど、英智が長生きするフラグは全力で信じる。

・英智「バレンタインに、うちの桃李がね~」「それがあんまり愛らしかったから、僕も真似してみた♪」
かわいい。いたずらっ子みたいな顔をして飴玉を乗っけてくる英智、かわいすぎる。「僕のお手々に『ぎゅ』って」とは。桃李が愛らしかったから真似してみた、ってどういうこと……?(理解が追いつかないという顔) 
こういうところも「アイドルたちの魅力を取り込み自分のちからとする」英智の能力なんですね。勝てる気がしません。だけど千秋には「意味深すぎて怖いし不気味」と言われててて笑った。

・英智「君たち『五奇人』の尊い犠牲のお陰で愛おしい現代がある、これはその功績に対する僕からの感謝の気持ちだよ」
・奏汰「そんな『きもち』は、どぶにすてたいです」
五奇人を悪に仕立て上げた張本人と奇人の奏汰、一見和やかそうな空気だったけど実はそうでもなかった――! 剣呑~~~~!

笑顔で火花を散らすふたり

・奏汰「『こうてい』さんのおかげで、ほんとうにたのしい『こうこうせいかつ』をおくれましたので~ その『かんしゃのきもち』です」
言葉だけ見ると、奏汰は英智に感謝している…? 五奇人の仲間と出逢えたことで相殺して、英智のことを恨んではないのかな。魚のぬいぐるみを贈るぐらいだし。それとも花言葉ならぬ魚言葉(?)を込めて、すごくネガティブな意味がこもったぬいぐるみを押し付けたりしてるの?

・流星隊が返礼祭へ参加申請していないことを心配する英智
去年の返礼祭では、敬人が紅月とUNDEADからの参加申請が出ていないことを心配していた。生徒会長、副会長ともに生徒たちのことを気にかけているんだね。集客数を懸念している点はさすが企画運営側の人だなぁ。「参戦してくれないなら寂しくなっちゃうよ」の言い方がかわいい。

・千秋の卒業後の仕事を根回ししてくれた英智
芸能界への影響力がある天祥院財閥。そうそう、使えるコネは使ってくべき。

・英智「友達ねぇ……。まだまだ、僕の舌にはちょっと苦いな」
『友達』と呼ばれて真顔になる英智。『エレメント』でつむぎとあれだけこじれたもんな……。こういうときでも食事にたとえる。

・千秋「今はあいつらを信じて、見守るしかない。今は全力で放置すべきだ」
先輩と後輩が親離れ、子離れできるように、あえて手助けせずに距離を置いている。

・英智「初めて立っちをした、赤ちゃんを見ている気分だよ」「僕と渉が抜けると戦力は半減どころじゃないだろうけど……桃李は強く、美しく成長しているしね」
立っち…! なんか今回の英智の台詞、やたらかわいくない? 欲目?

fineはほんと、いきなり英智と渉が抜けるのはすごい痛手だよなぁ。大丈夫なのかな。
『皇帝の凱旋』で桃李が「ボクと弓弦だけでも『fine』を引っ張っていけるって証明したい」と意気込んでいたので、あれは実質fine返礼祭のプロローグだったのかもしれない。
桃李が、強く美しい獅子になっていく様、見守りたい。

『皇帝の凱旋』第9話より

・奏汰「おおむかしから、『ほとけさま』と『かみさま』はなかがわるいですし」
奏汰のおうちは神社なのか!? ここで英智ボイスが「なるほど~」って言ってる。英智は知ってるんだね。教えてよ~!(?) 三奇人で奏汰をスサノヲにあてはめていたのもそのせい?

奏汰くん、一体何者なんだ。怒らせると雷が落ちる怪物……?

『皇帝の凱旋』第6話より


『不安と沈黙』

1-Bの教室でクッキーを食べている忍。返礼祭のことで翠と鉄虎に相談することを遠慮している。
【返礼祭】は、不慣れな下級生が中心となって開催するため、ドリフェスとしては先日行われた【ショコラフェス】とほぼ同じ感じらしい。


・忍「ずる~い、ひとりだけ先に大人の階段をのぼって!」
なんだか大人びた様子の鉄虎に文句を言う忍。
3月になっていろいろ問題が解決しちゃって、こんなふうに成長した後輩を見るのは嬉しくもあり寂しくもあるね。寂しいかたも、4月になればまた彼らの不器用で初々しい姿が見られるから、もうちょっとの我慢(?)です。


『傍観者たち』

噴水前で卒業後の進路について話している羽風と千秋。
千秋はアイドル活動を基本に、特撮ヒーローや教育番組への出演もするマルチタレントになるらしい。

・薫「もりっちみたいなのが夢を叶えられないなら、俺みたいなのは絶望するしかないし~♪」
・千秋「おまえは才能に充ち溢れているからな、おまえがアイドルにならないなら、他に誰がなるんだって感じだ」
お互いに褒め合ってて微笑ましい。羽風が男友達に対して「今後も支えあっていこうね」なんて愛想良くしててうれしい。

・薫「しばらく努力してみて芽がでなかったら、すっぱりアイドルとして生きるのは諦めろって言われてる。それで、羽風さんちの家業を継げってさ」
羽風さんちの家業って何だろう…。お堅い家業だから、医者とか? でも医師になろうとするならアイドルに失敗したあとでは間に合わない気がする。政治家?

・奏汰「しってて『しらないふり』をしてるなら、その『やさしいうそ』を『そんちょう』したいですし」「ぼくも、まだみんなといっしょにこの『ちじょう』でくらしたいので……」
奏汰の家のことは千秋はあまり知らない様子。深海家は『地上』じゃないところで、『重たい』『理不尽な運命』の話がこれから出てくるのか…。人柱みたいにされて、世に平和をもたらすため海の底で神事に勤しむとかの運命?(『うしおととら』)
あとで「ちじょうでは『あるけない』ということは『いきていけない』」ってことだと千秋が奏汰に教えた過去も明かされている。


・奏汰「ぼくは、いったことありませんでしたけど……ちあきの『だいふぁん』ですから」
奏汰は千秋の大ファンなんだね! 英智が日々樹くんの大ファンなのと同じだ。


第二話、さきほどの3人が喫茶店でしりとりをしている。
しりとりで羽風が「鹿威し(ししおどし)」って言ってるけど、料亭とかでカポーン…って鳴るアレでしょ? にじみ出るお坊ちゃん感。アッ…! もしかして羽風家の家業って老舗の高級料亭??(ひらめいたという顔) それか、「ごちゃごちゃうるさく言う」ということは何か作法があるような、茶道とか華道の家元?

・颯馬に着信拒否された薫
颯馬くん、着信拒否なんて高度(?)な操作できるんだね。意外。ただ電源切っただけかもしれない。

・薫「朔間さんの悪い部分が出ちゃってるんだよね、気を遣いすぎて逆に神経を逆撫でしてるっていうか」
零がUNDEADは解散じゃ…とか言って晃牙が大騒ぎするのは去年の返礼祭で見れます。最後はふたりのラブラブな様を見せつけられます(葵兄弟 談)。

・薫「お母さんみたいだよね、奏汰くん」
羽風が奏汰をお母さんみたいと表現するのは、特別な意味がありそう。
去年の返礼祭で、彼が「お母さんになってくれる」「俺のことを愛で包んでくれる」存在を追い求めていることが明かされたからだ。ほんとにお母さん代わりにはなってくれなくても、奏汰くんや零、転校生ちゃんやファンのみんなの愛で羽風が包まれるといいなぁ。

『贈る言霊』第4話より

そこへ忍がやって来て、鉄虎と翠が取っ組み合いの喧嘩をしていることを告げる。
泣きじゃくってるスチルがめちゃくちゃかわいい。

『流れ星の涙』

商店街で喧嘩している鉄虎と翠の元に駆けつける千秋。
先輩方にお礼をするため、返礼祭に参加したい…だがみんなに強制はできないと思っている鉄虎。相変わらず「面倒くさい、鬱だ」と嫌がる翠。後輩を心配している千秋。
みんなそれぞれの立場で言ってることに納得して共感して、読んでるともどかしくてつらい。

・千秋「この守沢千秋が助けにきたからには、おまえたちの悩みは即座に粉砕! みんな笑顔でハッピーエンドだっ!」
「みんな笑顔で、ハッピーエンドだねぇ♪」は瀬名のwin台詞。同じ3-Aの仲間として通じるものがあるのかな。

・鉄虎「学校において、空気を読めないってのは『悪』と同義語ッスよ」
「隊長はいつも、空気が読めない酷いひとのふりまでして……。嫌がる翠くんを叱咤激励して、舞台に上げてたッス」
空気を読めないのは千秋の素じゃなくて演技だったのか…。「嫌がられても、そのひとのためになるなら」と自分を殺したり、「おまえたちの不安も痛みも何もかも、俺が抱えていこう!」という千秋の自己犠牲の精神が、それを見ている、千秋を大事に思っている人にはつらい。

・鉄虎「身内の揉めごとすら解決できないのに、世界を救うなんてことは夢のまた夢ッスよね」「俺たちも先輩になる、大人にならなくちゃいけないんスよ」
鉄虎くんがほんとめっちゃ成長してて、頼もしい。俯瞰してものごとを見ていて、自分はまだ空っぽの人間だと、足りないものも自覚している。リーダーにふさわしい。

・鉄虎「困難を、つらいことを避けて簡単なほうを選んだんスか? 俺はずっと、翠くんの『そういうところ』が嫌いッス」
鉄虎くんの台詞、読んでるこちらまでグサグサと突き刺さる。

・鉄虎「隊長の、この一年間は何だったんスか!?」
千秋が頑張ってきたこの一年間を、翠が無駄にしようとしていると怒る鉄虎。自分より才能があり、ルックスにも身長にも恵まれている翠のことを羨んでいる。

・千秋「おまえの笑顔は、世界でいちばんの宝物なんだから」「それを磨くのが楽しみだったんだ」
千秋にここまで言われている翠の美貌は、すごい。ノベライズでも「どんな女の子でも虜にしてしまえるような、絵本の王子さまみたいな理想像そのもの」「完璧な見目麗しさ」「うっとりするほどの美青年」(3巻P.256)と書かれている。

葵兄弟にも「ルックスだけなら同い年のなかでは最強」と言われている。やばい。

『苺色の休日』第4話より

・翠「俺なんか、見た目だけで……。心の底から、ぜんぶ愛してくれるひとなんかいるわけがない……」
でもそんな眉目秀麗な翠にも、彼ならではの悩みがあった。そうそう、美形な人って他人からやたらと勝手に良い理想像を持たれて、「そんな人だと思わなかった」と幻滅されたりするらしいね。言い寄ってくる異性はいっぱいいても、内面まで愛してくれる人にはなかなか出会えないという美形ならではの悩み。大変そうだなぁ…。(ドラマとかで聞いた知識)

・翠「俺には夢なんかない、だからせめて他人の夢を奪っちゃいけないんだ!」
生活がある、夢ばかり追っていられない…と大衆の気持ちの代弁みたいな台詞でめっちゃ共感してしまう。
ここの台詞、言い換えたら「自分の夢を叶えるためなら、他人の夢を奪うことも致し方ない」みたいなじゃない? 言い過ぎか。
似たような言い回しの、『Daydream』の英智の独白を思い出しています。(「あらゆる夢を取りこんで、僕は僕の夢を花咲かせよう――醜悪な花でも。」ノベライズ2巻P.278)

・翠「馬鹿じゃないの? 格好良すぎるだろ、何なんだよ聖人かよ!」
聖人か…?って思うこと、私もあんスタプレイしててたびたびあります。『エレメント』で「悪役にも幸福はありますよ」とほほ笑んでいた渉や、DDDの決戦時の桃李など。

・翠「ほんとはいつも幸せだった……キラキラ輝く青春だった……『流星隊』のみんなが、大好きだった……。だからこそ、こんな俺がその一員であることが申し訳ないんだよ……」
みんなが大好きだからこそ、自分がその一員でいることが申し訳ないと言う翠。この気持ち、分かる気がするなぁ。翠が諦めたような、人を突き放しちゃうような態度をするのは、自分に自信が持てないことの裏返しなんだね。罪悪感にさいなまれて謝る翠、見るのがつらい……。

ちなみに返礼祭後の春休みのエピソード『スカウト!苺狩り』のときは、翠はちゃんと「俺がここで立ち止まったら……一年間俺を引っ張ってくれたひとたちの努力まで無駄にしちゃうし……」と言えるようになっている。成長した。


『苺色の休日』第5話より


『未来の英雄』

返礼祭の当日。噴水前にいる忍と鉄虎。翠はまだ姿を見せない。
羽風がやって来て気さくに声をかけていく。

・薫「颯馬くんのフォローは、俺だけでやるしかないかな」
羽風が颯馬のフォローをしている様子は昨年の返礼祭に出てくる。一人きりのステージを補佐するため、舞台の近くで踊ったり歌ったりしていたらしい。デッドマンズにも参加してるし、羽風くん返礼祭で活躍しすぎじゃない? えらい。
それにしてもほんと、男子相手でもこんなににこやかに話せるなんて、変わったな~。


第2話、商店街で八百屋の手伝いをしている翠の元へやって来る千秋と奏汰。

・千秋「俺は子供のころは病弱で、家族に苦労ばっかりかけてきた」
夏目くん同様、千秋も子供のころは病弱だったのか~。
もしかして英智が千秋を下の名前で呼ぶのは、昔から面識があるから? 英智が芸能界の仕事の根回しまでしてくれたのはそのせい?

思い返せば英智と千秋にはいろいろ気になるところがあった。
もし昔からの因縁があるなら、千秋がスバルに「下劣な真似を繰りかえし、おまえを哀しませた生徒会長に報いを受けさせよう!」(3巻P.254)なんて言ってるのも何か昔の恨みを込めて言ってるのかもしれない。
ほかにもDDD緒戦で千秋が「生来、病弱なせいで長時間のライブに耐えられないのだ!」と英智の弱点を知ってたり(まぁこれは夢ノ咲で3年過ごしてたらみんな知ってるかもしれない)、
英智が千秋を「赤い糸で結ばれた、運命の恋人を見るみたいに」じっと見つめたり、(4巻P.129)
「敵対するというなら、容赦はしてあげられないよ?」「もちろん、手加減無用!」という、まるで手加減することが前提のようなやりとり、(4巻P.131)
「恋人にしかゆるされない距離まで頬を寄せると、頬ずりするような動きをした」(4巻P.152)とか……疑いの目で見だすとどんどん気になってきた。伏線なのかもしれない。


・千秋「俺は奏汰みたいな天才じゃない、だけど『流星隊』のお陰で……。みんなのお陰で、夢を叶えられた」
千秋が意外と等身大の人間っぽいというか、打算的なところがあることに好感を覚える人をツイッターでけっこう見かけた。私もそう。千秋が「正義の味方らしく」ないって描写をノベライズで見つけたので抜粋します。

「俺たちを利用しろ!」
利用しろだなんて、ふつうヒーローは言わない。(3巻P.248)
おまえを裏切り、捨てていった連中にも目にもの見せてやれる!
やはり時折、正義の味方らしからぬ言葉を織り交ぜて――(略)彼は吼える。(3巻P.249)

・翠「俺がみんなに後ろ指をさされて、ここに住めなくなったら……。守沢先輩、責任とってくださいね……」
・千秋「うむ! 任せておけっ、俺はいつでもウェルカムだ☆」
ここめっちゃプロポーズなんですけど…! 
責任をとって一緒に住むってことだよね。「自分が何を言ってるのかわかってんのかね、このひとは……」と言いたいのはこっちです(?)。ふたりとも、何を言ってるんだ。仲良さそうで何よりです。

ご家族も、本当は翠のアイドル人生を妨げるような家族じゃなかったと分かって安心した。


エピローグ

エピローグを開くといきなり英智。ぜんぜん心の準備してなかった。

「月が綺麗だねぇ」

「月が綺麗ですね」は、夏目漱石による「I love you.」の意訳といわれている噂。真相は定かではないが、日日日先生は絶対狙ってやってる。(月が綺麗ですね―pixiv百科事典

同じように、『千夜一夜』のエピローグでもアドニスが「月が綺麗だな」と転校生ちゃんにほほ笑むシーンがある。そのときは転校生ちゃんがモジモジし、零が「アドニスくんは夏目漱石とか知らんか」とツッコミを入れている。きっとアドニスは知らないだろう。でも英智は知ってるんじゃないか…!? 知ってるでしょ、絶対わざと言ってる。
しかも、「『講堂』についたら目覚めなさい」ってどういう状況かと思ったら、お姫さま抱っこされて眠って……!?!? 大事件です。そんな至近距離でこの英智の恍惚ボイス「ぁあぁ……」を聞いてるの?? とんでもないぞ……。

『WANTED!!!』3話、ゲームセンターのシーンでは、転校生ちゃんは疲れていても眠気をこらえて英智にはもたれかからなかった。「僕に甘えるのは不本意かい? 反抗的で、かわいいねぇ……♪」とからかわれていた。3月には英智の前で眠れるぐらい、気を許せる仲になったんだね。ドライフルーツとハンバーグと刺繍を選び続けた甲斐があった。(?)
(2017/05/21追記:『ティーパーティ』のときに、すでに転校生ちゃんは英智の膝で寝ている)
転校生ちゃんには怖がられていると思っていた英智


・英智「『言わないで! 妄想するから!』って、月永くんの真似をするよ」
fineの返礼祭の演目気になるな~! いつかアプリで描かれる日が来るのかな? 
英智によるレオの物真似、めちゃくちゃ聞きたいですね、(CV.緑川光)で……!

・英智「いつか永遠に眠るときも、死ぬときもこんな気分でいたいな」
こんなこと言うってことは英智くん今生きてるってことだね? 生きてる! うれしい!

・生徒会の業務をしてあげたことが敬人への返礼
敬人はこのプレゼントに気付くかな? 表向きは生徒会の業務は後輩に託す、としつつも陰でこっそりサポートしてて優しい。

・スバル「三年間、楽しかった?」
・英智「もちろん。宝石よりもキラキラ煌めいている、素晴らしい日々だったよ」
スバルと英智のこのやりとりは、DDD決勝戦前の会話「君たちはいつも楽しそうで羨ましいよ」「あんたは、楽しくないのか?」「さぁ、どうだろうね」へのアンサーっぽいね。(メインストーリー125話・ノベライズ4巻P.276)
ふたりが同じステージに立っている様を、転校生ちゃんは「神話の一場面のようだ」と形容していた。

あのシーンで、英智は「すこしだけ寂しそうに言葉を濁し」ていた。決して楽しくはない、血の海に首までひたるような道程だった困難な革命の日々を、「これが僕の青春さ」と受け入れていたあの彼が…
今やこんなふうに楽しかったと即答できる状態で卒業を迎えられるなんて。良かった。良かったね……。感無量のハッピーエンドだ。

春休みに元気そうにしてる英智の姿も『モールライブ』で見れるので一安心。

今回英智が運んでくる特大ライブ名は「宝石の輝きライブ」。
ライブ続行中の台詞は「これからまだ先があるけどね」、ライブ成功の台詞は「みんなこの一瞬を生きているね」でどれも希望にみちている。

「誰もが輝いて見えていたよ…♪」

・英智「夢ノ咲学院のトップアイドルっていう僕の肩書きだけど、桃李がきちんと育ちきるまでは、君に預けてもいいかな」
英智が持っていた生徒会長の肩書きは真緒に、トップアイドルの肩書きはスバルが預かり、いずれ桃李へ受け継がれていくみたいだ。去年の『皇帝の凱旋』にも、桃李が皇帝として成長していくのを楽しみにしてる英智がいた。

『皇帝の凱旋』第10話より
? 肩書きって世襲制なんだ…? (てかスタフェスでfineがTrickstarに負けてても英智がトップアイドルのままだったんだね?)

ほかのTrickstarのメンバーも、演劇部部長や放送部部長の肩書きを受け継ぐのかな。


・スバル「タカミンは、ち~ちゃん先輩が望んだとおりのヒーローになるみたいだから、俺は、ち~ちゃん先輩が望んだとおりのアイドルになろうかな」
春には「おまえはおれの後継者に相応しい……☆」「その輝きが、ほしい! 『流星隊』に加われ、明星!」(ノベライズ3巻P.247-8)と千秋に熱烈に勧誘されてたスバル。その想いは届いていたようだ。

・英智「あぁ、生まれてきて良かったね」
英智が幸せそうでうれしい。
私、あんスタ内の「生まれてきて良かった」台詞コレクター(?)だから収集せずにはいられない。最近読んだ中では『太神楽』の敬人と『喧嘩祭』の英智が言ってる。


第二話は流星隊の返礼祭ステージ。

羽風が泣いてるのは、転校生ちゃんにフラれたから。と言っても、どれが告白だったのか分からない。どれ? 

「その笑顔がけっこう本気で大好きだったよ」

この去年の返礼祭のスチルの絵について、ビジュアルファンブックで「『彼の性格から感情は表に出さない』という指定があった」と書かれてる。この笑顔の下で泣いてたんだね……。

・薫「奏汰くんひとり面倒見るぐらいの甲斐性はあるし」「最初から最後までずっと、俺を『良い子』って呼んでくれたのは……。お母さんと、奏汰くんだけだったよ。んじゃあ、ばいばい……。またね、奏汰くん」
羽風と奏汰くんは、ここでお別れなのかな? さっきの千秋と翠みたいな、同居フラグみたいなのも感じるけど…ばいばい、の言葉が切ない。

・千秋「元『流星隊』の、お祭り男が手助けしてくれてなっ?」
おっ新キャラ登場のフラグ! 奏汰くんに「あの『ごろつき』」とか言われてる。またアクの強いキャラが来そうだな~! 流星隊を勝手に抜けた、というエピソードは追憶で語られるのかな?


第3話、流星隊の1年生3名がステージに立っている。
・忍「(きっと大丈夫。いつだって『ぼく』だけは、そう信じてる)」
忍の一人称がぼくになってる。ここは、とりつくろってない本当の自分なんだな。

・鉄虎「(忍くんって、意外と凛々しい顔立ちッスよね。ううん、男らしいッス)」
前髪で隠れた忍の顔は凛々しいんだね…! めっちゃかわいいと思って見てた。

・鉄虎「(不様だなって嗤うひとがいても、きっと忍くんや翠くんは認めてくれる)」
周りの人にどう思われても、きっと仲間は支えてくれる、と信頼している鉄虎。絆の深さにジーンとする。

直接関係無いけど、ぶざま、と言えば『Daydream』の五奇人時代の渉が英智に向かって言った「無様ですね」を思い出さずにはいられない。無様と言いながら英智のユニットに加入した渉の謎…いつ明かされるんだろう。
なんか私、ずっとDaydreamとエレメントの話してるね。囚われている。

・翠「俺のためにあんなに怒ってくれるひとは、たとえ家族じゃなくても同じかそれ以上に大事だ……」
翠が今まで臆病で後ろ向きだったのは、みんなを傷つけたくないという彼の優しさでもあったと思う。そして自分を叱ってくれるひとのありがたさに気づけるぐらい大人になった。

・千秋「あいつは特撮番組に登場するキュートな悪女か何かか!?」
転校生ちゃん、相変わらず驚異的な裁縫能力だな! てか悪女側なんだ…!? 


第5話、5人揃った流星隊が、名乗りをあげる。きっとこれが最後。

「黄色い炎は、希望の証!」

次期レッドとなり太陽のように輝くと意気込む鉄虎も、今日は流星ブラックを名乗る。
「黒い炎は、努力の証!」

・翠「あんたにもらった恩を、やっぱり一生かけても返せない気がするけど。せめて、あんたの一年間が無駄じゃなかったんだって証明します」


ちゃんと千秋にお礼を言えた翠。(気持ち悪いとかも言ってるけど)
スチルがかっこよすぎる。納得の美男子。千秋と翠で対の構図になってるね。


「無限に育つ、大自然! 流星グリーン、高峯翠……!」

「見ててください、俺の変身」は仮面ライダークウガの名台詞らしい。こうやって書いてくれないと、知らない作品のパロディは全然気付かないなぁ。

ここまで名乗りがフルボイスなの良いなぁって思ったけど、翠の! 肝心の翠のボイスがなかった…! せっかくこんなにカッコイイ見せ場だから、録ってほしかった。(ワガママ)

「赤い炎は、正義の証!」

・千秋「あぁ、本当に良かった」「報われた。見返りを求めないのがヒーローだが、愛されて、感謝されて、泣き顔だった誰かを笑わせられたのなら……必死に戦ってきた、意義もある」
笑顔でちゃんと名乗りをあげる翠を見て涙ぐむ千秋。苦労が報われたことに感動している。見ているこちらまで胸がいっぱいになる……。良かった~~~!

というわけで流星隊も丸く収まって大団円だ~~~! 卒業おめでとう!

脱線して長くなってごめんね! ここまで読んでくださったかた、ありがとう!




4 件のコメント :

  1. 最近あんスタを始めました。
    翠くんファンだったので、このストーリーすごく気になってたのでありがとうございます!
    読んでてこっちも涙ぐみました…。

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    1. 転校したての転校生さん! コメントしてくださってありがとうございます♪
      あんスタは過去ストーリーがなかなか読めないのでもどかしいですよね…。

      私はまだ翠くんのことがよく分かっていないのですが、自分に自信がもてないところとかすごく共感してしまいます。
      つたない感想ですが、少しでもお役に立てていたら嬉しいです!

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  2. 私もこの返礼祭の後からあんスタをはじめていてずーーーーーーーと気になっていたので感謝しかないです。しかもわかりやすくて読んでいて流星隊のことがもっと好きになりました!翠くんっていつも嫌だばっかり言っているのに返礼祭の翠くん!大好きだよ!!!!

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    1. みなこさん、初めまして!
      読んでくださって、温かいコメントまでありがとうございます♪

      返礼祭の流星隊の魅力を伝えたかったので、こうして受け取ってもらえて嬉しいです~!

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