[後編]あんスタ『サマーバカンス』のストーリー感想 ※ネタバレ

[前編]の感想はこちら


※ネタバレあり(過去スト含む)
※英智贔屓


『戦争と平和』

第一~二話、リゾートホテルに到着し仮眠をとっていた寝不足の子たちが、次々起きてくる。弓弦はベッド、食事、水着やサングラス、ダイビングの機材など、なんでも万全に揃えてくれててすごいね。高校生であんなに細かいところまで配慮できるなんて……!

ここで英智と零、弓弦は「不穏な」会話を交わしている。
弓弦は英智の策略をどこまで察して動いているのか? 英智は本当に零たちUNDEADを罠にかけようとしているのか? 零はそれにどこまで気づいているのか……? 三人の思惑が交差する。


・零「吸血鬼キャラをつくるのも大変じゃよ、実際」
今までも何度か言われてたけど、零の吸血鬼キャラ、おじいちゃんキャラは彼が作っている「キャラ」だ。
英智はそれを自らの『皇帝』と同様に「そう名乗る必然性があるんだろう」と分析している。そういや凛月もときどき妙なキャラになるけど、あれ何? 朔間の血?(兄と一緒にしたら怒りそうだけど)

・弓弦「坊ちゃまの支えになるために、弓弦は生まれてきたのです」
桃李「弓弦の愛が重い……」
どうして弓弦はここまで桃李を大事にしてるんだろう。『ギャング』のストとかで語られてるのかなぁ。未読です。

これが弓弦の幸せ

・「英智たちと夢を共有したい!」と言って仮眠をとりにいった渉
渉には他人と夢を共有できる特殊能力があったりするの? 桃李が言ってた「変な夢」って渉に干渉されたやつ? 「渉」だけに。(ドヤ顔)

・英智「朔間くん、翻訳して」
零「『ゴチャゴチャうるせ~』」
弓弦の台詞の主旨を翻訳してくれる零。否定しないところを見ると当たってるんだな。
今はおしとやかな感じになってる弓弦、二人とも昔は血の気が多い感じだったからか、零は弓弦の内なる本性を見抜いているようだ。

・英智「じゃあ、僕は渉を起こしてこようかな。寝起きドッキリを仕掛けたい」
いつも起こされる側だから仕返ししたい、と言う英智。
英智が寝ていて、渉がそばにいるシーンは『ミルキーウェイ』(エピローグ)・『エレメント』(エピローグ、保健室のシーンも?)にある。
ノエル』(プロローグ)も、実際に渉が病室までお見舞いに来ていた(英智は夢うつつで覚えていない)ってパターンを想定すると、それだ。

この旅行以前は、英智は渉が寝てるのを見たことがないらしい。まだ渉が無理して超人でいる時期かな。そんな渉が疲れて居眠りしていたのを桃李に目撃されるのが『ダンスフロア』。

桃李「こいつも眠るんだなぁ……」

・零「(一応、気は抜かずにおるべきじゃの もう二度と過たぬように。もう誰も喪わぬために)」
零は、fineが自分たちを招いたのは、UNDEADを潰す策略なのではないかと警戒している。過去に英智の策にはめられて大切な仲間をうしなったようだ。(敵対して疎遠になった、敬人や渉のこと?)そのため今も英智のことは100%は信用してない。

英智自身も、革命を進めていく途中で友達をなくした。fineを出ていったつむぎ、将来友人になるかもしれなかったのに敵として処刑した奇人たち……
「もう二度と過たぬように……」というフレーズは零と一緒だ。やっぱ"対"にしてあるんだろうな。

・英智「(かつて君が言ったとおり、僕はとっくの昔にそちら側に立っているのかもしれないけど……)」
「僕は君たちの友達になりたかったんじゃない……同じ地平に立ち、対等に争いたかったんだから)」
ここで英智が言っているのは、『エレメント』で零に吐かれた「呪いの言葉」のことだろう。
零「俺たちのことを人間じゃないみたいに言ったのはおまえだから、せめて甘んじて聞けよ 天祥院英智くん、だっけ。……おまえ、とっくの昔に『こっち側』だよ おまえはさ、一生涯かけても巡り会えないかもしれない……かけがえのない親友になれるかもしれなかった連中を、踏みにじって殺しちまったんだ 可哀想に」(エレメント 灰は空に帰す/第四話) 
こう言われた当時も英智は「最高の賞賛だよ」と笑顔で返事していたけど、強がりじゃなくてやっぱ本当に喜んでたんだね。人間を超越した怪物たち(神々とまで呼んでる……!)と自分が対等な立場なのだ、と認められたみたいで。
闘争心と、裏にある劣等感を感じさせる思考、そしてこの物騒な台詞……最高に天祥院英智。好き。

天才たちへの宣戦布告

以前『ダンスフロア』で渉に、「同じ学院の仲間なんだから、仲良くしましょう」って感じのお小言↓を言われたときも、英智は賛成していなかった。
脅したり怖がらせたりして緊張感・危機感を持たせ、みんなが自分を磨いていくことを英智は望んでいる。内輪で馴れあって現状で満足していたら、学院はまた腐敗してしまうもんな。
渉「支えあい慈しみあう、同じ夢ノ咲学院の仲間です 遠慮されるのは寂しいですね~、英智がいつも脅したり怖がらせたりするせいですよ。反省してくださいね」
英智「ふふ。馴れあいすぎても良くないからね、距離が近すぎると見えなくなることもあるし」(ダンスフロア スローステップ/第三話) 
(サマーバカンス 野蛮と高貴/第二話)


第三~四話、海辺にいる薫と転校生、アドニスを弓弦が迎えに来る。

・薫「お利口さんぶって手をこまねいているうちに、かわいい子が永遠に手が届かないところに行っちゃったら最悪でしょ?」
これってやっぱり、お母さんのことなんだろうか? 
今までに見つけた、薫の母関連の台詞まとめとくね。→羽風薫と「お母さん」について  
直接関係ないけど、海洋生物の研究者……といえば『ジョジョ』の空条承太郎ですね。

・アドニス「伏見はいつも物静かで優しげなのに。ごくたまに、野生の肉食獣のような気配を漂わせる」
アドニスは野生の勘(?)で弓弦や英智の本性を見抜いている。

「サメかと思った」

・弓弦「きっと会長さまも、そういう思惑があって 『UNDEAD』の皆様を今回の旅行にも招いたのでしょう
「貴族ぶっててみんなの反感を買いやすい」fineの印象を変えたい……という英智の思惑に弓弦はもう気づいている。桃李は冬の『ノエル』まで気づけなかった。


第五~七話、全員揃って昼食。

・渉「英智たちの作法を真似るといいですよ、わんこくん 私も『fine』のみんなと食事をする際にはそうしています、人の振り見て我が振り直せです♪」
「物まね上手」と自負する渉。お手本があればその通りに振る舞えるのだろう。
それが演技にも活かされているのかも。

・晃牙「『皇帝』さんよう?」 
英智「英智先輩と呼んでほしいな」
後輩にも気さくに下の名前で呼んでほしい英智。

・アドニス「汝、平和を望むなら戦争に備えよともいう」
弓弦「その格言有名なのですかね。『あれ』の創作だと思っていました」
以前、幼少期や『リベンジマッチ』で茨が口にした「汝、平和を望むなら戦争に備えよ」という台詞がアドニスから出て考えこむ弓弦。
本当に聖書に載ってるフレーズじゃなかったようだ。ラテン語の警句「Si vis pacem, para bellum」か。
汝平和を欲さば、戦への備えをせよーWikipedia


・アドニス「誰かが忘れ、あるいは赦すことでしか憎しみの連鎖は断ち切れない」「敵ではなく友だと思い、怨むのではなく尊び敬うことでしか平和な未来は拓けない」
アドニスは一般的な話をしてるんだろうけど、去年の学院の状況を思い出すね。
三奇人たちは革命で勝手に悪役にされたけど、そう仕組んだ英智たちを心底憎んだりはしていない。(「苦しめ苦しめ」「苦労してもらおう」とかは言うものの)

夏には夏目もそのことに気づく。


・零「我輩たちも、表面上だけでも……せめて旅行の間ぐらいは仲良くするかえ? 乾杯♪」
英智「……あはは。トマトジュースで酔っ払ったのかい、朔間くん?」
英智の「……」に、仲良くしようと言われても素直に即答できない複雑な心境というか、零の本音を探ろうとしているのを感じる。

・零「寂しいので遊び相手になっておくれ、願わくは末永く……。長生きせいよ」 
英智「もちろん。君たちの誰よりも長生きして、君たちの墓前で『ざまあみろ』と言う。それが、僕の夢のひとつだからね」
英智を「英雄」と呼び、長寿を祈る零。すごい。オトナ。昔の零は退屈して孤独で空虚な感じだったから、策にはめられてもそれでも結果的に仲間に巡り逢えたことを感謝できるんだろうか。今もまだ「寂しい」と思ってるぐらいだし。

対する英智は子供っぽいというか、悪党っぽいな。「ざまあみろ」って……! でもそういうとこもイイ。長生きしたがってて嬉しい。

・零「遠くに理想郷を、約束の地を求めずとも……。我らが今いるこの場所こそが、我らの恋い焦がれた愉快で尊い楽園じゃ」 
英智「ふふ。その楽園を、僕たちは青春と呼ぼうか」
いま零や渉は、「ここが楽園だ」と言えるところにいる。幸せそうでよかった。


「この場所こそが楽園じゃ」
渉「みんなで一緒に参りましょう、輝かしい未来へと 急がず焦らず、楽しみながらね あぁ英智、ここが地上の楽園です」(ダンスフロア スローステップ/エピローグ)

・薫「あんまり苗字は好きじゃないから、できれば下の名前で呼んでね~?」
渉「では『薫くん』と呼びましょうっ、私のことは気軽に『ワタルンルン』と呼んでいただいて構いませんよ☆」
唐突に謎のあだ名が出てきた。長いぞワタルンルン。
苗字が好きじゃないって、家族とうまくいってないのが察せられる台詞だね。つむぎや英智もそんなこと言ってた。

・渉にとても気に入られる薫
ひとと違うからと言って敬遠したり特別扱いせず、フラットな態度で接するところが、薫が奇人に愛される理由らしい。

・コンビニとかで100円で買えるアイス
「逆にそのようなものは入手が難しい」と言いつつも、英智の無茶ぶりを了承する弓弦。英智(か桃李)がそういうのをリクエストしてくることすら予測してたんだろうか。

『夜闇と太陽』

今回のサブタイトル、どれもfineとUNDEADを象徴するような対照的な単語が並べてあるね。「夜闇と太陽」は二つのユニットと、昼夜二部構成になってるライブのことかな。
「夜闇」と「太陽」の境である「夜明け前」という時間に、アドニスと英智が語り合うことも、含まれてるかな。

第一~二話、夜明け前にランニングをしていたアドニスと転校生を見つけた英智が、自室へふたりを呼ぶ。英智はバルコニーから外にいる二人を見下ろしてるっぽい。「上がってこない?」「お湯を張って待ってる」と言うので。

・アドニス「転校生の姿が消えているな。天祥院先輩、食べてしまったのか?」
英智「食べないよ。とんでもないことを言うね、日本語を間違えたのかな……」
アドニスは日本語ペラペラだけど、天然ボケなところがあるから誤解されてる気がする。自分では口下手だと言ってるがとんでもない。日本語ネイティブの私だってアドニスみたいにすらすらとは喋れないぞ。

・英智「ちょっと喋ってみてくれる? 僕が習得してる言語かも」
何か国語かしゃべれるんだ……!? 家庭教師に教わったんだろうか。天祥院財閥は外国にもこうやってホテルとか持ってるし、姉妹校もあるし、外国語喋れたほうが色々便利&有利なんだろうな。

・アドニス「(天祥院先輩はかつて朔間先輩たちを打ち破った存在だ 虫も殺せないような顔をして……。その身に毒を秘めている、危険な生き物なのかもしれない)」
思わせぶりな台詞でアドニスの危機感をあえて煽る英智。
UNDEADのメンバーが気を抜かずライブに臨むように仕向けている。

飲んでるのは多分ジュース

・英智「ドライヤーを当ててあげよう♪」
転校生ちゃんの髪を乾かしてあげる英智。やさしい~~~~! そういう、人のお世話みたいなこと、できたんだ!?(英智を何だと思ってるんだ?)


第三~五話はライブ対決の昼の部。宿泊している島とは別の本島でライブが開催される。

・地元の言葉でMCをこなす渉
この場所へ行くって決めてから約一週間でここまで……! いつも通りの、日本人の観衆向けの歌と踊りをするだけでよしとせず、この日ステージを観に来てくれた現地の人々のことを考えてあげてるんだね。一流の演者だね。
弓弦が「非常に勤勉な方」と評価しているのもイイ。

・弓弦「(今回の旅行の目的は『UNDEAD』を最大限に利用し『fine』を更なる高みへと至らせること)」
零のいるUNDEADを集客に利用し、負かして、海外でのfineの評価を上げることが英智の目的だと思っている弓弦。

余裕のない弓弦と逆に楽しそうな英智

・英智「使えるものは何でも使って、僕は勝利するよ」「勝者が歴史をつくる。まず勝たなければ、誰も僕らの言い分なんか聞いてくれないさ」
英智は家族をあまり好きじゃないみたいだけど、天祥院の名前や財力を利用している。あんな大きな『力』、使わない手はないよね。
とりあえずどんな手段でも策でも使って「勝つ」、「生き残る」、って感じの英智の哲学は一貫している。旧fineの革命以降、英智にとって勝利は義務にもなっている。
「アイドルとしての能力ではなく策略で勝つことが不安なら、能力でも勝ったと思えるようになるぐらい、己を鍛えあげればいい」は、英智が実践してることなんだろうけど、自分に言い聞かせてきた言い訳でもあるのでは。

・弓弦「(坊ちゃまを追いかけて夢ノ咲学院に入って正解だったと思えます。あぁ、わたくしは今……人生を愉しんでいる)」
誰もが必死に生きている、戦場みたいな青春を味わってて嬉しそうな弓弦。
キセキシリーズで、夢ノ咲のアイドルがライブを勝負の場みたいに思ってて、お客さんを蔑ろにしてるのを(たしか日和に)「英智くんのせいだ」って非難されてたけど、弓弦はそういう空気が好きで楽しんでるんだね。英智も思想が物騒だし、意外と(?)気が合う。

「群がる敵はなぎ倒し、前へ進んでまいります」

第六~十話は夜の部。UNDEADの反撃が始まる。


・晃牙「夜も祭りはまだまだ終わらね~ぞっ、眠ってるやつは叩き起こせ! 俺様たちの歌を聞け……!」
晃牙くんの「眠ってるやつは叩き起こせ!」って台詞は今回のアプリ内イベントのライブ運んでくるやつにも使われてるね。この台詞、トリプルミーニングに思える。

1.文字通り、夜寝てる人を起こしてUNDEADのライブに来させる(夜闇の魔物だから)
2.お昼寝してた英智や渉、桃李、fineを遠回しに煽っている。「バカンスだ何だって気ぃ抜いてんじゃね~! 気合い入れろ!」的なやつ(←晃牙も寝てたよ)
3.あんスタのテーマのひとつである(と勝手に思ってる)「夢よりも現実が素晴らしい」というやつ


・桃李「いちおう僕はご主人さまだよ、おまえより偉いの。すごくて、強くて、頼もしいんだから。だから、おまえたちは代々ボクたちに仕えてるんでしょ。順番を間違えないで」
桃李の器のデカさを感じさせる。主人は使用人の面倒をみてあげることができるから、「主人」なのだ。使用人にお世話されてないと生きていけないようでは、赤ちゃんと同じだ。

炎を振り回すアドニス
アドニスと炎の組み合わせは『ポリス』スカウトのカード、[十字路の交戦]を思い出すね。

・弓弦「ま、まさかそんな……リンボーダンス? そのような演目が予定されていたとはは初耳ですよ」
想定外の展開に戸惑う弓弦。
そういえば渉はベリーダンスもリンボーダンスも踊れるって言ってたな。今日の舞台はユニット対抗であり、fineに属してる渉は「fineらしい」振る舞いを心がけてたんだろうけど、そうでなければ彼もここに乱入していたかもしれない。
渉「この日々樹渉に不得意なものなどありませんよ! ダンスなら一通り習得していますけど、何がお望みです? 社交ダンス? ベリーダンス? チアダンス? リンボーダンスだってお手のものですよ~、ほらほらっ♪」
(ダンスフロア スローステップ/第一話)

・英智「かつて僕は弱く愚かで、誰かを叩き潰して踏みにじり、己の価値を相対的に上げるような卑劣な行いをすることしかできなかった。そんな方法しか選べなかった、けれど今はちがう」
Daydream』で、自分の所業を他人に怨まれて当然のものだと認識していながら改革を進めていた英智の心境が描かれているが、今の彼はあの頃とは変わっている。ちがうやり方を選べるぐらい成長している。
暴君だ。玉座は孤独だ、知っている。そういう道を選んだ。(略)他にもっと愛おしい、少年少女が憧れて夢中になって読みふける物語のように冴えたやりかたが、あったのかもしれないれど。
血の海に首までひたるような道程しか、選べなかった。(Daydream P.279)

・英智「君の誤算はただひとつ。僕だよ、僕の思惑をわずかに読みちがえたこと……」「未来の芸能界のために、愛すべきアイドルたちの栄光のために、僕は粉骨砕身する。それが僕の贖罪で、野望で夢だ」
英智は生徒会長であり、未来の芸能界を引っ張る予定の立場の人間でもある。彼はfineだけでなく業界全体の利益も考慮して動いていた。

弓弦の読みは少し外れてたけど、弓弦の作戦は結果的に英智の真の目的を達成させ、「完璧なプランだ」と褒められる。
桃李の考えてることを言わずとも読み取れる優秀な執事の弓弦は、英智の考えも分かってるつもりでいたのかもしれないけど、まだ英智のほうが一枚上手だったね。へへへ……/// いやぁ、我らの英智くんがいつもごめんね!

英智の贖罪・野望・夢

・英智「僕が志半ばで果てたとき、夢を継いでくれる存在が必要だ。そうでなければ、死んでも死にきれない」
英智は普段からいろんな事態を想定している。ここから事態がどう動いても大丈夫、「勝っても負けても益がある」ように仕向けたりしてるから、人生においてもどんなルートになっても大丈夫なように物事を進めてるのかな…… 自分が若くして死んだときはこう、誰よりも長く生きたときはこう、とか。普通の人(しかも高校生)なら、あんまり自分が死んだときのパターンは考えないだろうけど……やっぱり病弱な身体が英智の人格形成に及ぼした影響は大きいな。

・弓弦「あなたが坊ちゃまの憧れで、夢である限り、私もお役に立ちましょう。我らがトップアイドル天祥院英智さま……」「こんなに見事に手のひらの上で転がされたのは初めてで、正直、痛快なぐらいですから」
弓弦がfineにいるの、「桃李が英智を慕ってるから渋々在籍してる」「家の格が上だから仕方なくへいこらしてる」とかじゃなくて、英智とある意味対等で安心した。目指すべき雇用関係みたいというか。弓弦はちゃんと自分の目で英智を見定めて、信頼に足ると判断したからここにいてくれるんだ。

弓弦が腹を立てて悪態をつきながらも、一杯食わされたのがうれしいの、わかる。
自分を翻弄できるぐらいの人がこの世にいるってことだもんな。英智♡手玉にとって♡(うちわ)


「今夜は誰ひとり眠らせぬぞ!」

・アドニス「この身を盾にしてでも、俺が守る! みんなの平和を、一時の安らぎを! 笑顔を、母から受け継いだ理想を! 文句があるならかかってこい! どんな卑劣な手でも使うがいい、俺たちには通じない!」
アドニスのお母さんってすごい人だったんだなぁ。
普段口数が多くないアドニスが、こんなにいっぱい、胸に宿した熱い覚悟を語ってくれた。彼も生半可な気持ちじゃなくて、命懸けでアイドルをやっている。感無量……。

粗野で乱暴そうなUNDEADのアドニスが、世界中の、泣くことしかできないような「弱いものたち」へ歌声と愛と笑顔を届けたいと思っていて、
お上品そうなfineの弓弦や英智が、一見平和そうなアイドル業界を戦場だとみなし、そこで戦おうとしてるのが対照的だ。しかもUNDEAD側に「卑劣な手段を使ってきそう」って思われてる。

『エピローグ』

バカンス最終日、4日目。帰りの飛行機の時間が遅くなったので、のんびりみんなで記念撮影したり談笑したりしている。

・渉「皆さ~ん、笑って笑って! ぴぃ~す☆」
零「ぴぃ~す♪」
みんながピースサインをするの、普通にアイドルだからって理由に加えて、今回のテーマの「平和」をかけてる?
この前の『維新ライブ』でも色んな子がピースしてたから偶然かな。
ピース ー あんスタ台詞bot

英智「ダブルピース☆」

・英智「昔のファンが見たら幻滅するんじゃない?」
零「大丈夫大丈夫、どんな我輩でも魅力的じゃから」
自信満々の零を羨んでる英智。
いやいや! 私もどんな英智くんでも魅力的だと思うよ…………!! 英智が今更何をしたって嫌いにならない自信がある。うーん……何をしたら嫌いになるかな……万一、英智がアイドルが嫌いになって辞めたりしたら、それは受け入れられないかも。

常々思ってるんだけど、英智推しの人って無敵じゃない? 『皇帝』役を演じてるけど素顔は子供っぽいし、物騒で根暗で臆病なところもあって、卑劣な手段もとる彼を愛せるんだから。他のPに少々推しが嫌われててもめげないし、渉並にメンタルが強い。
……いや、嘘、メンタルはそこまで強くないな。今回の衣装でめちゃくちゃ動揺してしまった。fineのドレスコード(?)的にヘソ出しはNGだと思ってたので……。

渉「旧い友よ、良かったら私が日焼け止めを塗りましょうか♪」 
零「日々樹くん、意外と乱暴だから嫌じゃ」
手先が器用なはずの渉は、意外と乱暴。英智も『ティーパーティ』で凛月や創に乱暴って言われてたなぁ。
何で? 背が高いから? ……いや、たとえば幼児とか見てると、ちっちゃい指でちっちゃいアリとか捕まえててさ、あれすごくない? 身体の大きい生き物(幼児に対する私)って、大きいぶん細かいとこまで配慮が行き届かないのかもしれない、と思う。小さいものは壊してしまいそうで怖い。アドニスの気持ちも分かる。

・弓弦「平和を満喫いたしましょう、たとえ泡沫の夢でも」
英智「まぁ、日本に帰ったら戦争再開だけどね。平和とは、戦争と戦争の隙間にあるほんの一瞬の小休止……。けれど、今はそれを心ゆくまで堪能しようか」
「平和とは戦争と戦争の間の小休止」って意味のフレーズ、たまに聞くよね。元ネタは何だろ? ググったら魯迅の『摩羅詩力説』っていうのが出てきたんだけどそれかな。
「平和というものはこの世にはない。平和と呼ばれているものは、戦争が終わった直後、あるいは戦争の始まる前をいうのだ」みたいな意味の一節。


おわりに

いや~~『サマーバカンス』、ただお気楽に遊びに行っただけじゃなかったね。
追憶『エレメント』や『Daydream』の話ともつながってて、英智や零の成長や関係性の変化も描かれてて、普段あんまり自己主張しない弓弦やアドニスの想いも詳しく聞けて良かった!


日日日先生が弓弦とアドニスを「戦争と平和」というキーワードで結んで書いたという今回のスト、28話もあって大ボリュームだったね! 先生、ちょっと手加減して……! 情報が多すぎて、カロリーが高くて消化できない! 小分けにして~~!(届かない要望)



JINSコラボ眼鏡


JINSコラボ眼鏡のポスター、どアップでめっちゃイイ。敬人以外の眼鏡姿なんてレア。
この描き下ろしイラストを使用したグッズの商品化企画も進行中って書いてたから、続報が楽しみ!




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