英智の台詞「愛だけではアイドルになれない…」考察

【あんスタ】パロディ元の推測まとめ - Togetter
先日作った↑のまとめにも入れたんだけど、
メインストーリー終盤で「どうしてSSに出場する権利を投げ出して、俺たちにチャンスをくれたんだ?」と訊ねるスバルに対し、英智が答えたこの台詞。
抽象的で、印象に残る台詞だよね。
ノベライズで転校生ちゃんが語ってたように、私も「一体どういう意味なんだ……?」と漠然と考えてた。
私たちは、ずっとずっとその真意を──意向を考え、読み解きつづけることになる。重大で、ありふれた、根源的なこと。この夢ノ咲学院でアイドルとして生きていくかぎり、避けられない命題を。
(ノベライズ第四巻 P.335)

そんなとき偶然、次の台詞を見かけた。

「強くなければ生きていられない。優しくなれなかったら生きている資格がない」
小説『プレイバック』(レイモン・チャンドラー著)

プレイバック(Wikipedia) アメリカのハードボイルド小説

語感が似ている……元ネタなのか!? これが"""正解"""……?
この台詞を元にして、日本で70年代に映画(『野性の証明』)のキャッチコピーが作られ、一躍有名になったらしい。
「男はタフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」

原文は「If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.」
探偵である主人公がヒロインに「あなたの様に強い(hard)人が、どうしてそんなに優しく(gentle)なれるの?」と訊かれて答えた台詞だという。



解釈の変化

今までは、
・「愛だけでは、アイドルになれない」
=アイドルを好きなだけではアイドルになれない。レッスンとかの努力も必要だ。
 ・「けれど愛がなければ、アイドルになる資格はない」
=けれど、(そうは言ってもまず)アイドルを愛する気持ちがなければ、アイドルになる資格がない」

って意味かな?と思ってた。でもそれだと、接続詞が「けれど」っていうのがちょっと違和感あるな、と疑問に思ってた。ここでスバルにそういう話をするのも不自然。


もし日日日先生がマーロウの台詞を元ネタにしてるのなら、解釈は変わる。

・「愛だけでは、アイドルになれない」
=「優しさや思いやりだけでなく(ときには厳しく非情になれるぐらいの)強さも兼ね備えていなかったら、アイドルにはなれない」
 ・「けれど愛がなければ、アイドルになる資格はない」
=「けれど(そういう)愛情深い、あたたかい心を持っていなければ、(人々に夢を与える存在である)アイドルになる資格はない」
と読める。


後者の解釈でとらえると、「愛だけではアイドルになれない」というのは非常に英智らしい考え方だ。
優しさや綺麗事だけでは、伏魔殿である芸能界ではとてもやっていけない。他人に出番を譲らずに「俺を見ろ!」ぐらいの気概でないとアイドルとして成功できない。
(あるいは自分の半生をかえりみて、ひ弱な自分は卑劣な手段を使ってライバルを蹴落とさないと生きてこれなかった、日陰で埋もれていた、という意味も含めているのかも)

「アイドル業界は甘くない」と言う泉も英智の見解に近いのだろう。


それでも、英智はアイドルに必須の資格として愛を挙げている。英智にとっても、アイドルとは無慈悲な人間であってはならないのだ。「アイドルになりたい」彼は、たとえ重くて邪魔でも、愛を手放すわけにはいかないのだ。
これが少年漫画の暴走したラスボスとかなら、最終決戦で熱血系の主人公に倒されつつ「いいか、アイドルってのはなぁぁ……!」などと拳で諭されそうな内容だが、英智はメインストーリーの段階で自分で理解していたんだね。えらいぞ。
というか抗争時代のあれこれで、すでに痛い目を見て懲りてるってことかな……。うっ……『エレメント』の傷が永遠に癒えない……


公式から答え合わせが欲しいところだけど、こういうのを解説すると野暮になりそうだし、ないか。
遠い未来にあんスタが完結したら、日日日先生に真相とか当時の裏話とかを詳しく聞かせてほしい。


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