あんスタ公式ノベライズ3巻『皇帝の帰還』 感想

7月15日に待望のノベライズの第3巻が発売されたのでレビュー書くよ。
なぜ15日なんだ。イベント期間外のほうがあんスタプレイヤーさんたちが忙しくないのでは? 1日目だからまだ比較的ゆっくりしてられるかな。そもそもイベント関係なくいつも忙しいかな?

巻末の書き下ろしについては別記事にて。

※内容ネタバレあります
※英智推しのため視点が偏ってます

帯にはデカデカと“天祥院英智 登場!!”の文字

私は特典として日日日先生のメッセージ入りポストカードが付いていた書店で購入。ポストカードやブロマイドのサイズのグッズは、ふつうのはがきホルダーとかに並べて飾れて良いよね。すっきり収納できる。

内容はアプリのメインストーリーの第64話から第95話あたり。
メインストーリーを既に読んでいる人でも、転校生ちゃん視点で語られている地の文があるから読まないとほんと損だよ。あんスタプレイヤーみんなに読んでほしい。


キャラの容姿の描写がすごい


今日も世界中のどんな美少女よりも愛らしい 
P.6(紫之創)
血統書つきの愛玩動物みたいな、枝毛のひとつもない亜麻色の髪。宝石のような、ぱっちりお目々。
P.34(遊木真)

採れたての新鮮な花の蜜のような金髪。世界中の女の子が抱きしめて離さない、お人形さんのような愛らしい見栄え。
P.71(仁兎なずな)

吸いこまれそうな、どこか虚ろな瞳。誰よりも輝かしい美貌を隠すような、非人間的な印象を与える仮面
P.201(日々樹渉)

夢ノ咲の子たちはみんなアイドルだからそれぞれ容姿に恵まれてるんだろうけど、その中にあってさらに美少年、美青年、美丈夫とハッキリ書かれてる子は相当な顔面レベルなんだろうな~。翠くんも「完璧な見目麗しさ」「うっとりするほどの美青年」と言われている。イラストレーターさんの超えるべきハードルがぐんぐん上がる。


褒めてる以外の描写もある。
S1のステージ上では「魔性の麗人」と形容されていた零が翌日の日中に弱っている様子なんか、「なかみの見えないゴミ袋かそれを漁る」(UNDEAD専用衣装について)と書かれていて噴き出したよ。転校生ちゃん、辛辣だな! ゴミ袋って!

容姿の描写以外にも、キャラの心理描写、たとえば真緒くんの立場の複雑さとそれゆえ葛藤する内面が書かれていたりして、より感情移入できる感じ。

キャラの表情、行動や、周囲の様子も書かれているので、ほぼ台詞だけで進むメインストーリーを読んだときより、一層その場面を具体的にイメージできる。もうほんと、メインストーリーだけじゃなくすべてのストーリーをノベライズしてほしいぐらいだ。日日日先生の時間が欲しい。

日々樹の三つ編みが“鎖”と書かれていたこととか、弓弦が“猟犬あるいは軍人”と言われていることなど、いろいろ気になることがあるけど今後分かるかな。


天祥院英智について


英智の容姿の描写もすごい。
綺麗すぎる」「黄金律そのもののような均整のとれた肉体」「触れれば折れそうなほど繊細な細面」「受肉した天使」「神仏が何かの気まぐれで光臨したみたい」等、何行にも渡って描かれている。すごい。
そこまでなの…!? こんなの聞いてしまったら、もう、英智のイラストとか描けなくない?? 描いたあと、こんなの全然天使じゃない!!! って破り捨てたくなるよね??
アニメの作画は(元々あんスタの絵柄がアニメっぽいし)そのまんまな感じになるのかなと予想してるけど、この本で登場するたび「美しい生徒会長」って書かれてるから、脳内アニメ英智の姿がどんどん美馬様(@甲鉄城のカバネリ)みたいな作画になっていくよ。麗しいよ。


クラシック音楽かと思ったら英智の声だった、ってところには思わず笑ってしまった。でも言いたいことは分かるな、その表現。

耳に心地良すぎて、強制的にリラックスさせられる。魔性の、歌うような語り口だ。
P.145

声のことまで何度も書かれているのは、元々キャラの設定としてあった、というよりは CV.緑川さんだから書かずにいられなかったんじゃないかな。(名推理)


英智がTrickstar(真緒以外)と転校生の前に現れて自己紹介するシーンでは、英智について「おぞましい」「禍々しい存在」「気味が悪い」「本音が見えない」とか書かれていて、英智の得体の知れなさを恐ろしく思う4人の気持ちが伝わってくる。楽しそうな英智と対称的。

このシーン、日日日先生は「未知との遭遇」をイメージしたとおっしゃってたけど元ネタのほう知らないや。映画見てみなきゃ。


転校生が生徒会室に呼び出され英智がTrickstar解散の提案をするシーンでは、英智が悪魔怪物、人間の皮をかぶった化け物などと書かれていて、めちゃくちゃ悪役。ほんとにラスボス。何度も繰り返し「悪意」という単語が出てくる。英智自身、悪意を持ってこの提案をしてたんだね。日日日先生がそう書いてるんだからそうなんだろうな。
ヤバイ。
もうカンストしてると思ってたけど、ますます好感度上がるじゃん。(私の)
ツイッターとかで英智のこと「生徒会長ヒドイ! サイテ~! 憎い!」とかの意見を見ると、ふふふ、とほくそ笑むよ。

私はアプリで読んだときには、ここの英智に悪意なんて感じてなかった。(誤解を受けやすいけど、ほんとに英智の言う「みんなが幸せになれる未来」を求めてとった善意の行動だと思っていた)まぁ大金を提示したあたりは、わぁ~悪玉っぽいな、と感じてたけど。

だから以前日々樹が英智を「悪意の塊」と形容したときには、けっこう疑問だったよ。「悪意? 英智が? いつ?」って…。最近ようやく英智が本当に悪役なんだなとジワジワ実感できつつある。


以前日日日先生が英智のことをラスボスとツイートしてたね。
とうらぶではキャラ同士のやりとりとかほとんど無くて関係性が不明なところが多いので、あるキャラが二次創作で“ラスボス扱い”されるとそれに反発する意見も見かけたけど、英智は公式にラスボスなので、悪役やってる作品をみなさんにどんどん書/描いて欲しいですね。お願いします。待ってます。あっほのぼのも好きです。

地の文で、英智の行為を料理や食事、味覚にたとえる表現が何度も出てくるけど、なんでなんだろう? キャラデザ的には欲とは無縁のような繊細な人をイメージするのに、意外にも貪欲にあれこれ求めていることが、食欲でたとえられているのがめっちゃイイね。ギャップだね。
誰もが日常的に行う食事という行為を挙げて不気味に見せることで、より悪いヤツっぽい印象になる効果を狙ってるのかな。


DDDって何?


年末に夢ノ咲学院主催で開催される、日本一のアイドルを決定するためのアイドル業界最大の祭典『SS』。その『SS』に出場できるユニット1つを選抜するため、英智が開催を決めたドリフェスが『DDD』だ。
これ、どういう意味で名付けられたのか明かされてないけど、転校生ちゃんが「何かの頭文字だろうか、ドリーム? デスマッチ? デリシャス? ダンス?」と言っている。ドリフェスがドリームアイドルフェスティバルの略だから、ドリームは合ってるかも。


生まれてきて…


この本では何度か、「生まれてきて○○…」という表現が出てくる。

ありがとう。生まれてくれて、ありがとう。
P.38 転校生(紅月と対戦するTrickstarのステージに感動して)

苦労してきた甲斐があった。生まれてきた、甲斐が。
P.88 転校生(Trickstarの勝利を称える零に頭を撫でられて)

祝福したい。ともに分かちあいたい、私はそのために生まれてきたのだ。
P.89 転校生(ステージに飛び出したTrickstarを見て)

肯定されて、愛されて、生まれてきて良かったと思えるぐらいの青春が (略) 俺の人生にも存在した
P.286 瀬名泉


祝福していたり、自分の幸福を心底実感していたり、見ているこちらまで胸いっぱいになるようなしあわせな状態が伝わってくる表現だ。

でもこれらのことばが、ノベライズ2巻の巻末『Daydream』で英智が夢のなかで言った衝撃のことば、「生まれて、ごめんなさい」と対比してあると思うとつらい。英智、どんな人生を歩んできたの…? ウッウッ…(嗚咽)


いや、苦しい思いもするけど、楽しいよ。
イベントで忙しくしてると思うけど、もしまだノベライズを読んでないかたがいたらぜひ読んでくださいね。アプリ内ストーリーだけでは得られない情報がいっぱい詰まってます。

4巻の発売も楽しみ。






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